宮城民医連の薬剤師からの報告を
紹介します。
全国からの薬剤師支援本当にありがとうございます。医療用薬品のみならず、OTCや介護用品の支援も本当に助かっています。また、食料、その他のし好品など温かな心遣いに感謝します。
1. 病院薬局・つばさ薬局の状況
病院薬局の業務は通常の状態になってきています。
つばさ薬局は、まだ、普段よりかなり多い処方箋枚数となっていますが、支援薬剤師のおかげで、待ち時間もだいぶ少なくなってきました。
水につかった松島店の調剤機器がまだ回復できていないのでたいへんですが、他の店舗は通常の調剤業務ができています。
患者さんの状況も少しずつ普段に戻りつつあります。はじめは、家が流されたなどのとても困難な方が多かったのですが、通常の受診で来局する患者も増え、いつもの倍ぐらい患者さんがいるのにびっくりする人もいます。でも、薬が十分確保できなくて欠品があること、普段配達している事例でも取りに来てもらわなければならないなどの状況についてはほとんどの患者さんが理解を示してくれています。全体的に落ち着いてきてはいますが、家族を亡くされた方、家族が行方不明だいという患者さんもそれなりにいらして、つらいことが多いです。
2. 薬や介護用品の仕入れ
医療用薬品の問屋は動いていますが、まだ納入は十分ではありません。つばさ薬局では、長期処方については、欠品扱いに変更して対応しています。
OTC薬品は問屋がなかなか動き出さず、販売できる薬品がない状況が続きました。全国からの支援はとても助かりました。本当にありがとうございます。昨日あたり(4月6日―地震から約1カ月です!)から注文したものが少しずつ入ってくるようになりました。
介護用品は取扱業者が津波の被害にあい、対応できる業者を探しています。
3. 職員の状況
ガソリンが確保できたこと、JRが一部ですが動き始めたことで勤務がスムーズにいくようになってきました。ライフラインも少しずつ復旧しています。都市ガスの復旧が遅れていますが、職員の生活も落ち着いてきています。
まだ、営業できないスーパーも多いですが、野菜なども購入できるようになってきています。
4. 薬剤師支援
多くの薬剤師支援をいただき、ありがとうございます。 4月は4名ぐらいの支援で頑張ろうと思っていましたが、それを超える薬剤師の方々に支援していただいています。
坂病院に1名配置。注射剤の調剤を行ってもらっています。つばさ薬局は多賀城店、松島店などで調剤業務を行ってもらっています。また、避難所訪問に1〜3名配置しています。
5. レセプト
医科で認められた概算請求が保険薬局ではできないといわれ、困っています。震災後の混乱時には、保険番号などのない「指示書」程度のもので多くの患者さんに薬を調剤せざるをえませんでした。また、薬の手帳や薬情で対応したこと、電話が通じず薬剤師の判断で銘柄変更したことなど、通常のレセプト作業を行うのはとても困難な状況です。震災直後の大変な時期に地域での医療を守るために頑張った薬局の存在を認識していない行政の態度に怒りを覚えます。薬局のほか歯科、訪問看護ステーションも概算請求を認められていません。震災後困難な中、被災者に対応したのは病院だけではないのですが、全く理解していないようです。
6. 地域の医療機関の状況
震災直後の調剤について、地域の開業医にあいさつに行きました。泥が上がったが何とか診療しているところと当面診療開始のめどが立たないところがありました。電話もつながらない状況での薬の手帳や薬情での調剤についてと処方箋調剤での銘柄の変更などについては理解していただきました。ただ、処方箋なしで調剤した分の処方箋発行はできないという医師もおり、対応は難航しそうです。
宮城 K